23.06.2017 超函数微分の背景

$\Omega$を有界な領域とする.
$\mathcal{D}'(\Omega)$を実数値超函数の集合とする(集合としては$C_0^{\infty}(\Omega)$に等しい).
$\alpha$を多重指数とする.$u\in \mathcal{D}'(\Omega)$に対して,$\alpha$階微分$D^{\alpha}u$を
\[\langle D^{\alpha} u,\varphi\rangle = (-1)^{|\alpha |}\langle u,D^{\alpha}\varphi \rangle\;\;\;(\forall\; \varphi\in C_0^{\infty}(\Omega))\]で定義した.

このような定義がされる背景とは何だろうか.

特に$f\in L^1_{\rm loc}(\Omega)$のときを考えてみよう.このとき,$f$は
\[\langle f,\varphi \rangle =\int_{\Omega} f\varphi\; {\rm d}x\]によって$\mathcal{D}'(\Omega)$の元だと思うことができた.とりあえず1階微分を考えると,気持ちとしてはGreenの定理によって\[\langle D f,\varphi\rangle = \int_{\Omega} Df\cdot\varphi\; {\rm d}x=\int_{\partial\Omega} f\varphi\; {\rm d}x -\int_{\Omega} f\cdot D\varphi\; {\rm d}x\]となる.
ここで,$\varphi\in C_0^{\infty}(\Omega)$より$\partial\Omega$上では$\varphi =0$と思うことができるので,\[ = 0-\int_{\Omega} f\cdot D\varphi\; {\rm d}x=-\langle f,D\varphi \rangle\]よってこの場合\[\langle D f,\varphi\rangle =-\langle f,D\varphi \rangle\]と定義するのが良いのではないかという発想に至る.これを多重指数について,そして一般の超函数に対して拡張して,はじめに述べたような定義がなされるのだ.




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